アドバイザーからのメッセージ

皆さま、こんにちは。
このたび、新たに開校するフリースクール・オルタナティブスクール「Journey」において、アドバイザーとして関わらせていただくことになりました、杉浦孝宣（すぎうらたかのぶ）と申します。
私は現在、一般社団法人不登校・引きこもり予防協会の代表理事として、また、認定NPO法人高卒支援会の創業者として、40年以上にわたり、不登校や引きこもり、そして高校中退など、学校に馴染めず悩む子どもたちと、そのご家庭を支援する活動を行ってまいりました。
これまで1万人以上の子どもたちと向き合い、9割以上の方が再び学びや社会に向かうきっかけをつかんでくださっています。
その原点には、実は私自身の“不登校”の経験があります。

小学3年生、教室に行けなくなったあの日
私は小学校3年生のとき、不登校になりました。きっかけは些細なことだったかもしれません。ですが、あの頃の私にとっては「学校に行く」ということが、とても大きな壁になってしまったのです。
朝になると体が重くなり、登校時間が近づくと胸が苦しくなる。親は心配して声をかけてくれましたが、うまく気持ちを伝えることもできず、次第に家の中で孤立していったのを覚えています。
その後、私は千葉県の全寮制の支援施設「竹岡養護学園」に入所することになりました。そこで規則正しい生活、仲間との共同生活、そして自分のペースでの学び直しを経験する中で、少しずつ心と体がほぐれていきました。あの時の経験が、今の私の活動のすべての原点になっています。
だからこそ、今、同じように「学校に行けない」「毎日がつらい」と感じているお子さんの気持ちが、私は痛いほどわかります。そして、「どうしたらいいのかわからない」「このままで大丈夫なのか」と悩む保護者の皆さんの不安や葛藤にも、深く共感しています。

Journeyに込めた願い：「ここから再スタートできる」
フリースクールJourneyには、「子どもたち一人ひとりの人生を旅のようにとらえたい」という願いが込められています。たとえ今、学校に行けていなくても、それは人生の道を外れているわけではありません。ただ、少し別のルートから歩き出そうとしているだけなのです。
旅にトラブルや寄り道があるように、子どもたちの人生にも迷いや不安があって当然です。大切なのは「どこにいるか」ではなく、「どこに向かおうとしているか」。Journeyでは、お子さんが自分らしく歩き出すその第一歩を、私たちがしっかり支えていきます。
私の役割は、40年間にわたり積み重ねてきた支援の知見や経験を活かし、Journeyの活動全体をサポートするとともに、保護者の皆さまの不安や疑問に寄り添いながら、解決の糸口をご提案することです。

小学生だからこそ、「早めの支援」が大きな差を生みます
「まだ小学生なのに、フリースクールで大丈夫なのだろうか」
「一時的なものかもしれないから、もう少し様子を見た方がいいのでは」
そう感じておられる保護者の方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、私たちはこれまでの支援経験の中で、こうした“見守り型”の対応が、結果として不登校・引きこもりを長期化させてしまうケースを数多く見てきました。特に小学生の段階で適切な関わりを持てた子は、その後の学びや社会参加への回復が非常にスムーズです。
子どもたちは、本来、変わる力を持っています。そして、その力を引き出すためには、「環境」と「関わり方」が何より大切です。Journeyでは、安心できる居場所と、自己肯定感を育てる声かけ、そして「できた！」を積み重ねる学習と体験活動を用意しています。
保護者の方へ──一人で抱え込まないでください
「周りの子は普通に通っているのに、なぜうちの子だけ…」
「自分の育て方が悪かったのでは…」
そんなふうに、ご自分を責めてしまっている親御さんも少なくありません。
でも、どうか忘れないでください。子育てに“正解”はありません。むしろ、「悩んでいる」「何とかしたい」と思うその気持ちこそが、すでに“支援の第一歩”なのです。
私たちは、そうした保護者の皆さまの気持ちに寄り添いながら、一緒にお子さんの未来を考えるパートナーでありたいと考えています。Journeyは、子どもたちのための学校であると同時に、親御さんにとっても“安心して相談できる場所”であることを目指します。
最後に
子どもは、環境と関わり方次第で、必ず変わることができます。
保護者も、悩みを誰かと共有し、寄り添い合うことで、きっと気持ちが軽くなります。
Journeyは、決して派手なフリースクールではありません。ですが、子どもたち一人ひとりの歩みを大切にする、あたたかい場所でありたいと願っています。
「子どもが笑顔を取り戻すこと」
「親御さんがホッとできること」
それこそが、私たちJourneyの大切なゴールです。
もし、今お子さまのことで悩んでいたら、どうか気軽にご相談ください。どんな小さな不安でも大丈夫です。お話を伺いながら、一緒に道を探していきましょう。